シンスプリントとは?
(すねの痛み)
シンスプリントとは、『過労性脛部痛』『脛骨疲労性骨膜炎』などと呼ばれ、脛骨(すね)の内側や後側にかけて痛みを発生させる症状の名称です。脛(すね)の周囲の筋肉(ヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋など)のけん引力により炎症を起こします。
マラソン選手のような陸上競技に多くみられますが、ジャンプを繰り返すバスケットボール、バレーボールなどの競技や足に負荷のかかるテニスやバトミントンなどの競技にも発生します。
シンスプリントの原因は?
ランニングや繰り返しのジャンプなどを過度に行うことによる『使い過ぎ』によって発生します。運動量や運動時間、運動内容などが急激に変化したときに多くみられます。
また、シンスプリントを引き起こす要因には、筋肉の柔軟性の低下、筋力低下、筋肉や骨のバランス(O脚、偏平足、回内足、回外足など)、練習内容、フォーム、シューズ、地面の硬さ、などがあげられます。
シンスプリントの症状は?
シンスプリントは脛(スネ)の内側に押した時の痛み、運動時の痛み、腫れなどがみられます。また、つま先立ちなどの運動では痛みが強くなることがあります。
初期段階では、痛みはあるが運動やストレッチにより痛みが緩和されますが、徐々にスポーツ活動時や終了時に痛みがあらわれ、適切な対応をとらないとスポーツ活動や日常生活にも支障きたすほどの痛みとなります。
シンスプリントの治し方は?
まずは、アイシングと原因となる運動を制限することが大切です。その後、症状の経過にあわせて関係する筋肉に対して運動療法、マッサージ、ストレッチ、テーピング、温熱療法、電気療法などをおこないます。
また、運動量や運動内容の改善、姿勢やフォームの改善、筋肉や骨のバランスの調整、シューズの選択、筋力強化と柔軟性の改善なども再発予防のために重要です。
シンスプリントに限ったことではありませんが、足のスポーツ障害には骨盤の機能が大きく影響します。太もも、でん部、腹部、背部などの骨盤の傾斜に関係する骨盤周囲の筋力低下や協調性を改善することも治療と合わせておこないます。
シンスプリントは、初期段階では症状が軽いため運動を制限せずに続けてしまうことが多く、悪化することが少なくありません。また、負担を大きくかけすぎた場合には疲労骨折につながることもあります。
症状が、悪化すると日常生活にも支障をきたすようになるため、少しでも症状や違和感があらわれたら適切な処置や対応をとることが大切です。
症状が治まった後も練習前、練習後に入念なストレッチを行い、疲労を蓄積させないようにケアを徹底することをお勧めします。