突き指とは、スポーツ活動時などに手や足の指(趾)に外力が加わり発生するケガの総称です。
(親指、人差し指、中指、薬指、小指のどの指にも発生します)
スポーツ外傷の中でも頻度が高く多くのスポーツで発生します。
突き指損傷には指の骨折、脱臼、捻挫、打撲、腱の断裂などが含まれます。
病院などの医療機関では、痛めた組織や部位により○○靭帯損傷やマレットフィンガーなどの様々な診断名で呼ばれるます。
発生頻度が高く比較的軽視されやすいケガですが、それぞれの指、関節、組織によって処置や治療が異なりますので注意が必要です。
また、安易に指を引っ張ったりすると、損傷を悪化させることがあります。
脱臼や骨折を伴う突き指損傷では、指が通常とは異なる方向に曲がった状態となります。
指が通常とは異なる方向に曲がっていなくても、また、指がグラつく感じ(不安定感)や指が曲がらない(動かせない)、強い腫れや内出血などの症状があらわれる場合は骨折や腱や靭帯の断裂が疑われます。
また、突き指損傷を放置しておくと、指の変形やグラつき(不安定感)残ることや指が曲がらないなど、なかなか治らないこともありますので早期に適切な処置をすることをお勧めします。
突き指損傷ではさまざまな組織の損傷が含まれます。
繰り返しになりますが受傷後に安易に指を引っ張ると損傷を悪化させることがあります。
突き指の応急処置や治し方は
①R=REST(安静)
②I=ICE(冷やす)
③C=COMPRESSION(圧迫)
④E=ELEVATION(挙上)の
『RICE』が基本です。
①R=REST(安静)
関節の支持性や損傷した組織が回復するまで、患部の安静のために、その損傷に応じてシーネやギプス、包帯、テーピングなどで固定し、関節の運動を制限します。
ただし、必要以上の長期安静固定は関節などの可動域制限を招き治療期間が長期化する恐れがありますので注意が必要です。
②I=ICE(冷やす)
痛みの軽減、腫れや内出血などの炎症を抑えるために、患部やその周辺を氷などで冷やします。負傷後、早急に冷やすことで、腫れを抑えることができます。腫れは痛みの原因になりますので、患部を冷やすことが突き指損傷の症状を抑えることに効果的です。
約15~20分を目安に冷やし、一度冷やすことを止めて、再び痛みが出てきたら再度冷やすことを繰り返します。
ただし、冷やしすぎると凍傷を起こしますので注意が必要です。
③C=COMPRESSION(圧迫)
腫れの原因となる内出血を抑えるために、患部を包帯やテーピングなどで圧迫し、血液の流れを止めて腫れを抑えます。
ただし、過度な圧迫はよくありませんので、適度な圧にて圧迫することが大切です。
④E=ELEVATION(挙上)
腫れや内出血を抑えるために、患部を心臓より高い位置に挙げておきます。ベッドなどで寝た状態で、患部を高く上げます。布団やクッションなどを利用して、心臓よりも高い位置になるよう、調節します。
約24時間を目安に患部を心臓より高い位置に挙上しておきます。
突き指損傷の治療は、損傷している組織の種類、損傷の程度により、保存療法(手術を行わない療法)か手術療法かが選択されます。
保存療法では、シーネ、テープピング、装具、包帯などで固定します。その後、症状に応じて運動療法、物理療法、薬物療法(湿布)などを行います。
末節骨骨折
中節骨骨折
基節骨骨折
中手指節関節脱臼(MP関節脱臼)
近位指節間関節脱臼(PIP関節脱臼)
遠位指節間関節脱臼(DIP関節脱臼)
マレットフィンガー
(Mallet finger・槌指・ハンマー指・ベースボールフィンガー・ドロップフィンガー)
側副靭帯損傷
母指中手指節(MP)関節尺側側副靭帯 ※親指の付け根
(スキーヤーサム・ゲームキーパーサムなど)
掌側版損傷など
突き指は安易に軽傷と判断して放置するのではなく、後遺症や治療期間の長期化を防ぐために、早期に適切な処置を行うことをお勧めします。