オスグット病

オスグットシュラッター病



オスグット病(オスグッド・シュラッター病、Osgood-Schlatter病)とは、発育期のスポーツ障害であり、成長が盛んな小学校高学年~中学生(10歳~15歳位)位の年齢に多くみられます。


男女比では男子に多く発生しますが、比較的低年齢の女子にも発生します。1903年にオスグッド氏とシュラッター氏により症例を報告されたため、この病名がつけられています。

 

スポーツをする小中学生には比較的多い疾患であり、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)や膝蓋腱(ひざの皿につく腱)の繰り返しの牽引力が、ひざの前(脛骨粗面)に痛みと骨性の隆起を発生させます。

 

ジャンプやストップを繰り返し行うスポーツ活動であるバスケットボール、バレーボールの踏み切りの足や、ボールを蹴るスポーツ活動であるサッカーの軸足に多く発症します。

 

また、このようなスポーツではシンディング・ラルセン・ヨハンソン病(Sinding-Larsen-Johansson病)やジャンパー膝と呼ばれるひざの障害も発生することがあります。

 


オスグット病の原因

オスグット病の原因


オスグット病はひざを伸ばす筋肉(大腿四頭筋)や腱(膝蓋腱)の使いすぎや柔軟性の不足が発生要因となり、ひざの前(脛骨粗面)の部分に炎症を起こします。

 


オスグット病の症状

 

オスグット病の主症状は、脛骨粗面(ひざの皿の下)の痛み(疼痛)と腫れ(腫脹)、押した時の痛み(圧痛)があらわれます。さらに、正座や運動時、ストレッチなどで痛みや熱感などがみられます。

また、レントゲン画像では、患部の不整、隆起、分離、遊離などがみられますが、画像に異常が見られないケースもあります。

 


オスグット病の治療

オスグット病の治療


オスグット病の治療は手術をおこなわない保存療法が基本となります。


患部安静の為のサポーター療法、局所のアイシング、電気療法、要因となる筋肉の柔軟性を回復させる施術を経過に合わせておこないます。

ひざを伸ばす筋肉や骨の使い過ぎや過緊張が影響しているため、そのことを考慮した治療や予防をおこなうことが大切です。


オスグット病の多くは保存療法で改善されますが、スポーツ活動などで安静にすることができず症状が悪化した場合や保存療法に拮抗する場合には、手術による外科的な治療がおこなわれることもあります。



オスグット病のスポーツ活動

オスグット病のサポーター


スポーツ活動については、病期に応じて禁止か疼痛の出ない程度の運動をおこないスポーツ復帰を目指します。また、再発予防のためのストレッチ、アイシング、発育段階に合わせた適切な運動メニューなどが重要です。

また、スポーツをおこなう時にサポーター、テーピング、ストラップなどで患部への負担を軽減させることも有効です。


オスグット病は、適切に対処すれば成長とともに骨端線と呼ばれる部分が閉鎖する頃になると、後遺症も残さず症状があらわれなくなることがほとんどです。

治療期間中は、スポーツ関係者や家族、本人などが病気をよく理解し認識を高めることが重要です。