変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは、軽微なケガの繰り返しや長年にわたる膝への負担などにより、膝関節の中の軟骨がすり減り、炎症や変形を起こす病気です。
とても患者数の多い病気ですが、症状が進行するまで治療しないで放置していたり我慢していたりする方が多くみられます。早期の適切な対応が大切です。
変形性膝関節症の原因は数多くありますが、明らかな原因がない一次性の変形性膝関節症とケガや感染の後遺症などの明らかな原因がある二次性の変形性関節症に別けられます。
一次性の変形性膝関節症も二次性の変形性関節症も、多くは骨盤、大腿骨、脛骨、膝蓋骨、足の配列の異常によって発症します。
性別では男性に対し女性に多くみられる病気であり、多くは40歳以降に発症し、高齢になればなるほど多くみられます。また、肥満も大きな要因の1つです。部位では内側に圧倒的に多くみられます。
変形性膝関節症の主な症状は、膝関節の痛み(疼痛)と動きが悪くなること(限可動域制)と腫れ(腫脹)です。
初期の痛みは、動き始めや、立ち上がり、階段の上り下り後、運動や歩行の後などにあらわれ、次第に動き始めだけでなく持続的に痛みを感じるようになります。
関節の腫れは、関節を滑らかに動かすための関節液の過剰によるものです。腫れが増すに『こわばる』『曲げにくい』『張る』などのような感じがすることが多くなり、関節の腫れのために膝が完全に伸びにくくなります。
また、関節の変形が進むと膝の曲げ伸ばしが困難となり、歩行や日常生活に影響があらわれます。そして、徐々にO脚や×脚へと進行することが多くみられます。
変形性膝関節症の治療は、大別すると保存療法と手術療法があります。
保存療法
症状にあわせて、筋力訓練、可動域訓練、温熱療法、運動療法、電気療法、装具療法などを組み合わせて行います。
関節注射
膝の関節液が多量にたまった状態が続いて問題となると、関節液を注射により抜く場合もあります。しかし、関節液は炎症が治まるまで過剰に出てきますので抜いても再度たまってきます。
また、ヒアルロン酸、局所麻酔、ステロイドを注射する場合がありますが、感染やステロイドを頻回に注射することによる関節の破壊が起こる危険性がありますので医師とよく相談し、適切な治療を選択することが重要です。
手術的治療
変形が進行すると人工関節置換術や骨切り術などが行われることもあります。
人口膝関節の手術は、破損やゆるみ、感染症などに注意が必要です。
加齢とともに進行する病気ですので、放置すると日常生活動作に著しく影響し、寝たきりの原因にもなりますので注意が必要です。
また、変形性膝関節症のリハビリや運動は専門家の指示、指導のもとおこなって下さい。