首(頸部)は、頭と体をつなぐ重要な神経や血管などが集中する場所ですが、同時にいろいろな病気やケガの多い場所です。
人間の頭の重さは、ボーリングのボールと同じ位の重量があり、首(頸部)にはその頭と両腕の重さが加わり大きな負担がかかりやすい構造をしています。また、日常生活では大きく動くことを必要とされ負担がかかりやすい為、加齢による骨や筋肉の変化、不良姿勢やパソコン作業などによる持続的な負荷などにより痛みやしびれ、変形などいろいろな異常が発生しやすく、ケガの影響も受けやすいです。
首(頸部)の痛みは心理的な苦痛も含め日常生活に大きな支障をきたしますので、その状態に応じた適切な対応が必要となります。
首(頸部)の構造
背骨は横から見ると、S字のカーブを描いており、首の部分は7つの骨(頸椎)が緩やかに前弯しています。その骨と骨の間には『椎間板』と呼ばれるクッションがあり衝撃やわらげる働きをしています。また、背骨の中には『脊柱管』と呼ばれる空間があり脳からの信号を伝える神経が走っています。さらに首の骨と骨の間の小さな隙間(椎間孔)からはこの神経からわかれた細い神経が左右8対出ており、それぞれ肩、腕、指などに行きわたっています。
首(頸椎)からくる症状
① 局所症状
② 頸髄症状
肩、腕、手、足などのしびれ感 運動障害 歩行異常など
③ 神経根症状
手や指の痛み、しびれ感
首(頸部)は、いろいろな部位に症状があらわれ、中には重大な疾患もあります。まずはその状態をよく診察し、ひとりひとりの状態に合わせた治療が大切です。
・不良姿勢などによる痛み
・筋肉、筋膜による痛み
・生まれつきの首の奇形による痛み
・腫瘍による痛み
・外傷(ケガ)による痛み
・加齢などによる痛み
・炎症をおこす疾患による痛み
・肩関節や肩甲骨などからの痛み
・整形外科的疾患以外からの痛みなど