寝違え(寝違い)
いわゆる『寝違え』とは、おもに睡眠中などに首が不自然な姿勢を長時間続けた結果、首や肩まわりの筋肉(筋膜)、靭帯、神経等が損傷または炎症を起こし、痛みや首の動きが制限されてしまう状態のことをいいます。
ただし、『寝違え』という医学用語はなく、症状の総称として『寝違え』と呼ばれており、病院などの医療機関では、頚椎挫傷、頚椎捻挫、急性疼痛性頸部拘縮、急性頚部痛などと呼ばれることもあります。
症状は両側にあらわれることに比べ片側のみにあらわれることが多く、軽度の違和感からまったく首が動かず頭が支えられないほどの痛みまで様々です。
症状がひどい場合、一時的に頭痛、首のしこり、腕へのしびれ、肩こりの症状などがあらわれてしまうものもあります。
治療は、炎症を抑え頚部の緊張を取り除くことが大切です。
その症状により異なりますが、通常痛みが出た日より2~3日間程度は炎症が強くでています。
まず、アイシング、刺激の少ない電気治療や軽い施術を行います。痛みの軽減してくる時期には温熱療法、可動域訓練、ストレッチを加えていきます。また、頚椎カラーやテーピングを併用することもあります。
症状がなくなった後は、再発予防のために首や肩などのストレッチや筋力訓練等が大切です。
寝違えの多くは3日から1週間程度で痛みがとれ、首も動かせるようになり症状が残ることはありません。
しかし、単なる寝違いでなく他の疾患の場合もありますのでその鑑別が重要です。また、こどもの寝違えは、小児椎間板石灰化症、環軸椎回旋位固定(環軸椎回旋性亜脱臼・AARS)、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)などとの鑑別に注意が必要です。